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2014年6月16日 (月)

追悼 ケイシー・ケイスンさんを偲んで 矢口清治

2014年6月15日、ワシントン州ギグ・ハーバーの
セント・アンソニー病院にて
ケイシー・ケイスンさんが永眠されました。
パーキンソン病との闘病が伝えられていました。享年
82
70年7月4日の本国アメリカでの放送開始から
AMERICAN TOP 40』のホストを務め、
もちろんその日本版となる『全米トップ
40』の
原盤ディスク・ジョッキーとして

721014日から88年8月まで毎週土曜日の夜、
最新のアメリカの風を届けてくれました
(『
AMERICAN TOP 40』には本国では98年に復帰し、
04年まで担当)。

 多くのリスナーのみなさん同様私も、第一級のナレーターによる
正確でわかりやすい紹介があったからこそ、
チャートを彩る数々のヒット曲とスターたちをより身近に感じられ、
洋楽への親しみを深めました。
どれだけチンプンカンプンでも『全米トップ40』を聴くために
ラジオのスウィッチを入れ、
ワクワクしながらカウントダウンが始まるのを待つ週末が
途切れることはありませんでした。
本物の英語を通じてポップスに触れ、様々なものを理解し
自分の中に新しい視点を得ていくーそれは言葉にできないほど
スリリングな体験であり、
ケイスンさんの英語が何を言っているか解ったときの
到達感は格別なものでした。
あの感動を原点にしているから
洋楽を好きであり続け、大げさかもしれませんが
あらゆる未知に常に前向きに接する生き方を培えたと思っています。
クールな中に温かみがあり、
独特の響きと抑揚がいつまでも耳に残る、
そんなケイスンさんの声がたまらなく魅力的なのは、
『全米トップ40 THE 80'S』を通じて毎週お伝えしている通りです。
それはずっと変わることはありません。

 私が人生で一番多く聴いた英語は、
まちがいなくケイシー・ケイスンさんが発したものです。
安らかにおやすみください。
たくさんのすばらしい時間をありがとうございました。
心より、ご冥福をお祈りいたします。

2014,6,16

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