ジェンティルドンナは
衰えていなかった。
引き締まった体付きでパドックに登場、
顔を上下に動かす
去年と同じ仕草をみせた。
最後の直線、
インコースの窮屈なポジションだった。
並の馬なら伸びあぐねるところを
ジェンティルドンナは
あきらめることなくしぶとく伸び、
イスラボニータの差を縮める。
イスラボニータを競り落とし、
ゴールまであとわずか。
そこへ風のことくスピルバーグがやってきた…。
結果は4分の3馬身及ばず。
今年も2着だった。
負けたとはいえ、
鬼気迫る走り。
ドバイを勝った時点で
引退したほうが
いいのではないかと思っていた
自分を恥じている。
木村季康