またもや牝馬による歴史的接戦
佐藤です。
オークスの興奮が冷めないうちに、
心拍数が高いうちに、
自分なりの観戦記です。
昨年秋の天皇賞、
ウオッカとダイワスカーレットの火花散る接戦を見て、
「こんなレースは数年間見られない」と思った人は多いはず。
ところが約半年後に、またもや牝馬によって記憶に鮮明に残るであろう好勝負が展開されるとは!
パドックを周回する各馬。
放送席の解説者やスタッフは、テレビモニターに映るレッドディザイアについて、
「最高の状態だ」とか
「レッド頭の馬券を買わないと」
と口々に評価していた。
そう言われて僕もモニターに目をやると、確かに良い。首をキビキビと前へ前へとやって、気合い充分。馬体のシルエットも文句なし。一番のデキだ。
対するブエナビスタは、
比較的小柄な馬体ということもあって、仕上がっているのは感じたが、抜群に良くは見えなかった。
じゃあ返し馬はどうだ。
先に馬場入りしたレッドディザイアは、キャンターに入る際に、ちょうど同じタイミングで走り出した別の馬の真後ろに入ってウォームアップを開始。
僕には四位騎手が意図的にそうしたように見えた。
馬の後ろで我慢しなさい、
と最後の最後に教えたような。実に好感を持った。
一方、ブエナビスタは、
厩務員が左右に付き添って内ラチ沿いをゆっくり歩かせる。
少し気持ちが前に向きすぎているか?
いや、よく見ると安藤勝己騎手がキャンターに移そうと手綱を引いているけれど、立ち止まって動かないではないか。
大観衆を前に動じず落ち着いていると解釈するべきか。
そんなことを考えていると、
「あっ!」
ワイドサファイア、放馬
(゜Д゜)
気持ちよさそうに走り抜けるの空馬を見たからか、ブエナビスタは意を決したように返し馬スタート。
すると、
(素晴らしい)
と心中呟いた。
四肢から繰り出される弾力溢れるフットワーク。待避所へ遠ざかるのに、馬体が一向に小さく見えない。
ブエナビスタの方が良い…
返し馬で評価が逆転した。
レースは、
レッドディザイアは馬群を縫って手応え良く抜け出す。
ブエナビスタは今日も後方から進み、やはり大外へ。直線に入って、桜花賞よりも絶望的な差だったかもしれない。
少なくとも残り200メートルの時点では、レッドディザイアもグングン後ろを突き放す脚色だったから、2着が精一杯か。
しかし。
まさか交わすとは…
ブエナビスタは凱旋門賞へ赴くか。レッドディザイアは秋華賞で初タイトルを狙うか。
楽しみは膨らむが、
僕は秋のウオッカとの直接対決に早くも思いを馳せる。
それまで、とにかく無事に、
と願うばかりだ。
佐藤一司
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